「食」という字はご存知のように「人を良くする」と書きます。
「食事」は「人を良くする事」であり、食育とは「人を良くする教育」なのです。食は健康、農業、文化などの土台であり活動の基盤となるものです。
2008年に制定された食育基本法の前文には「健全な食生活を実践することができる人間を育てる・・これが食育である」とも書かれています。そうなのです!食育とは、さまざまな取り組みや実践によって高められていくものだと考えます。
この場では、「ライフステージ別食育」と「ケース別食育」の観点から提案を行い、『楽しい食育』を皆さんとともに高めていきましょう。

ライフステージに合わせた食育提案
それぞれのライフステージで大切にしたい食育への取り組み
食べようとする意慾の基礎作りの時期です。
家族で、また保育園や幼稚園などでの関わりを通して、いろいろな食への体験を広げましょう。

家庭・地域・学校を通しての食への体験が、さらに広がり深まります。
自分の健康を自分で保持増進できるように、将来の自分・将来の日本人の姿も見据えて、望ましい食生活を実現できるようにしましょう。

健全な食生活を実現し、次世代へ伝えましょう。
食生活の基礎・基本は家庭なのです。
家族→家庭→地域社会とコニュニケーションも広げましょう。

食を通じた豊かな生活の実現や次世代への食文化や食に関する知識や経験を伝えましょう。
親から子へ、子から孫へとつなげましょう。

ケース別食育提案
スポーツをする子供のための食育
最近の子供は身体を動かすことが少なくなりました。運動することは子供たちの健全な発育・発達にとって大切なことであり、将来にわたって健康増進や生活習慣病の予防にも役立ちます。子供の時代から運動習慣を培っていきましょう。
さて、運動をする子供にとって、運動と同じくらい大切なことに「食」があります。「食」を疎かにするスポーツ選手はいないのです。スポーツをする子供にとっての食事は、『健全な発育・発達のための食事+運動のための食事』という意味合いがあります。
身につけたい食習慣として…
- ①欠食しない。必要に応じて補食を食べる
- ②好き嫌いをしない
- ③「スポーツ食事の基本【主食・主菜・副菜+牛乳・乳製品+果物】」を実践する
- ④食事時間をトレーニングスケジュールに組み込んで考える
という4点があります。
子供が自分でできることは次の3つです。
- ①朝ごはんを食べてから学校へ行く
- ②給食は残さず全部食べて、できるなら主食(ご飯やパン)と副菜(野菜や果物)を積極的にお代わりする
- ③間食は補食であって、間食=甘食ではないことをしっかりと自覚しよう
(清涼飲料水のガブ飲みやスナック菓子、チョコレート菓子の食べ過ぎは×)
写真は練習後の夕食例と試合当日の朝食の例です。

練習後の夕食
・ご飯
・具たくさんスープ
・牛肉ステーキきのこソースかけ
・ほうれん草の白和え
・根菜サラダ
このメニューに牛乳・乳製品と果物を加えましょう。

試合当日の朝食
・おにぎり
・豆腐味噌汁
・じゃがいものそぼろ煮
・あべかわ餅
・果物
試合当日の朝食は、消化が良くエネルギーになりやすい糖質を基本に、身体を温める汁物などがあれば、とてもよいということです。
大切なことは、試合開始3~4時間前までに朝食はすませるようにしましょう。
でも、緊張して朝食が食べられない時は、無理せずに手作りドリンクやスープで対応しましょう!
(ファーストフードやお菓子パンですませないように!!)
公認スポーツ栄養士 今川 弥生
災害時の食事
南海トラフ巨大地震の被害想定が発表されていますが、災害時への備えや対応について、今一度考えてみましょう。大災害の場合でも、救援の手が差し伸べられるまでの、3日分の水や食料があれば持ち応えられるといわれています。
愛媛県は比較的災害の少ない地域ですが、ここは安全!と過信することのないように、万一への災害に備えましょう。



ポットでおかゆ
工夫しだいで 簡単 朝粥に・・・
保温ポット(水筒)でできます!電気が止まっても・・・OK!
【材料1人分】
・米 40g(1/4カップ)
・沸騰したお湯 300cc
【作り方】
米は洗ってポットに入れる。沸騰した湯を注ぎ入れ、ふたをして一度さかさまにして戻し、1時間おくと完成!
ステンレスボトル容量500ml 1食分のおかゆが作れます。
※取り出すときにごはんが底に残るので、菜箸で底から混ぜておいて、柄の長いスプーンなどで取り出してください。塩分を取りすぎないよう、付け合せを工夫しましょう。

切干大根のうま煮
保存性の高い食材を買い置きしたら、定期的に日常の食事に活用しよう!(消費期限・賞味期限をチェック!)
乾物や練製品、いも類を利用して!
【材料1人分】
・切干大根 6g ・じゃが芋 45g 小1/2個 ・人参 8g ・竹輪 5g(小1/10本) ・から揚げ 1g |
・干し椎茸 0.5g ・さとう 1.6g ・こんにゃく 15g ・みりん 1g ・煮干し 1g |
・塩 0.1g ・水 50cc ・しょうゆ 2.8g |
【作り方】
- ①切干大根・椎茸は戻して切る。
- ②じゃが芋は一口大、人参はいちょう、竹輪はななめ切り、こんにゃくは短冊に切って手綱にねじる。から揚げは短冊切りにしておく。
- ③煮干しは、30分程度水につけておき、だしを取る。
(だしを取った煮干しも、頭や腸の部分以外を食べやすいように身を裂いておく。) - ④だしに、煮えにくい物から入れて加熱し、じゃが芋が煮えたら調味し、仕上げにちくわを加え仕上げる。